『令和の虎』(岩井良明著)  

この本に書かれたことは、すべて実話なのです。

話の発端は3年前の2017年5月23日の夜でした。
その日、かつての人気番組「マネーの虎」で有名になった岩井良明さんの講演を聴きに銀座に行きました。話は面白く、話のうまさも尋常ではない。さすがテレビで人気者になった岩井さんです。名刺交換の折に、思わず「本を出しませんか?」と声をかけましたが、「そう言ってくる出版社が、いくらでもいるんですよ!」と岩井さんに一蹴されてしまいました。
それでもあきらめられず、岩井さんをモデルにした2巻本の小説を買い、その写真を添付して、今度はメールでラブコール。でも、やはりお返事はもらえませんでした。
いつしか岩井さんのことを忘れかけていた1年後。
突然チャンスが訪れました。 知り合いのバーのママが、ある日、「ねえ、先生、紹介したい人がいるの!」と声をかけてきたんです。あまりの唐突さに、「誰よー?」と気のない返事をすると、「名古屋の岩井っていう人!」。こうして、2018年5月10日の夜、岩井さんと1年ぶりの再会を果たしました。 今回は自著を2冊持参し、改めて自己紹介しました。僕が有名な作家とわかると、岩井さんの態度が一変。1時間後に、すっかり意気投合した岩井さんが、突然携帯電話を取り上げます。そして、やおら部下に命令しました。「町田に住む晴山という人に、あの原稿を送ってくれ!」 しばらくすると、本当にズッシリと重い原稿の束が、わが家に届きました。

しかし、読んでみると、大学時代の応援団のエピソード。あまりに特殊な世界なので、そのまま本にはできません。 なんとかアポを取って、岩井さんのオフィスを訪ね、「あのままでは本にならないので、私の方で目次を作ってきました!」と告げると、「人の作った目次で、本なんて書けませんよ!」と再び一蹴。

それでもめげずに無理やり目を通していただくと、意外なひとことが返ってきました。「これで行きましょう!!!」
本を作る過程で、僕は岩井さんのオフィスに通い、何度もインタビューを重ねて彼の話を引き出しましたが、あまりの感動で、私も涙ぐみ、岩井さんも涙ぐむ場面の連続でした。

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